お見合いの達人
『あの二人はここで育ったんだ。
兄貴の結婚する相手はさ、真里菜っていうんだけど、
母親と二人でここにで暮らしてたんだよ』
「え?」
『粉川化学の社長が浮気していた時期のことで、
親が知り合いだった関係で預かってた感じ?
結局、社長が土下座して元に戻ったんだけどさ
短い期間だったけど一緒に暮らしたんだよ。
2~3か月かな?』
ちょっと待て、そんな話見ず知らずの私が聞いていいんだろうか?
そんな心配な度お構いなしに、
藤吾は無表情で続ける。
『真里菜は俺らと同じ歳で、学校でも同級で、クラス一可愛くて
一緒に暮らすって決まった時二人で盛り上がったよ。
あ、これ小学校の時の話な、
で、兄貴と俺の見た目ってそう変わんないからよく回り騙したりして遊んでたんだけど、
真里菜だけには通じなくてさ。
だから余計かな俺たちは真里菜を特別に感じてたんだよ。
真里菜も、あいつもそれは同じだったみたいでさ……
多分俺たちの初恋だった』