お見合いの達人
ああ好きだな。

素直にそう思った。


『この間はごめん』


「あー、うん」

『ちょっと色々テンパってたのと、

これからの事考えたら俺が奈留のことどうこう言う資格ないかなって思ったんだよね。

で、そうそう撤退したわけなんだ』


「そっか」


『奈留、あいつとその、あれから----』


「ないよなにも」

『そかあ』

藤吾はちょっと口角をあげたけど、

そのまま黙って車を走らせた。


暫く行くと、以前見た風景が広がっていた。

牧場。

WELCOMEボードが飾られているゲートをくぐると、

賑やかな音楽が聞こえてきた。

「ホントにここでやるんだ?」

思わずこぼれた言葉に、

『もの好きもここまで来ると表彰ものだろ?』

と藤吾は笑った。









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