お見合いの達人
「あの、それって、

 誰でもいいってことですか?」


「え?」

「誰でもいいから結婚して、

 牧場を守れればそれでいいってことですよね?」


「まあ、正直いうとそうです。

 あ、でも、

 あなたには選択権がありますから、

 断ってくださっていいですよ?

 そこまで、押し付けようとは思いません。

 家の問題ですから。」


「じゃあ、断ったら?」


「また、お見合いしてくれる人を探します。」

へらっと

力ない笑顔を作るけど、

どうも嘘っぽくて、

妙に神経に触る。


なんなのこの人

「わかりません。」


「はい?」


「自分の人生なのに、そんな簡単に

 人の意見に左右されていいんですか?」

「ははは」

「何笑ってるんですか、

 馬鹿にしてるんですか?」


「はは、僕の人生なんて、どうでもいいんですよ。

 守りたいものさえ守れたら、それで十分なんです。」

その表情は無気力と言うか、

感情のない顔で、

私はいらっとした。

「もし……」






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