佐藤さんは甘くないっ!
そんな馨を見ているのは嫌だった。
馨はいつだって無表情で無愛想で、それから怒りっぽい。
だけど今の馨は、それとも違う。
無理して仕事以外のことを考えないようにしているみたいだった。
「ねー星川、今日飲みに行かない?」
「宇佐野!お前とはライバルだからな!飲みに行ってやっても良いけど、勘違いするなよ!」
星川は何故か僕のことをやたらとライバル視していて面白かった。
あほ可愛いって感じで。
何度も飲みに行ったし、仕事についても語り合った。
僕はあんまり熱くなったりするの好きじゃないんだけど、星川と話していると自然と熱が上がってきて楽しかった。
だけど星川も頭の切れる奴だったから、すぐに昇進して、第二部署に異動になってしまった。
いつもの四人も解散になって、つまらない日々をただ過ごす。
最上と馨が付き合い出して半年と少し経った頃、最上のアメリカ支社行きが噂され始めた。
真意を確かめると、最上は悲しそうな顔で頷いた。
馨と別れたことにはなんとなく気付いていて、だけど当の本人は全然気にしていないようだった。
ただビジネスパートナーの最上がアメリカ支社に行くことは、嬉しい反面少し寂しそうだった。
あくまでも仕事上の付き合いで、だけど。