Caught by …
一瞬の沈黙。
それは堪らなく長い一瞬で、堪えかねた私が言い訳を考え始めたときに信号が青に変わり、彼は車を発進させるため私の手から自分の手を離した。
それがトムの答えなのだろうと、解釈する。
俯いて、目を閉じる。
こんなの、こんなの…私じゃないのに。どうすれば元に戻れる?一度だけだ、あの指もあの唇も目も、たった一度触れ合っただけ。そのすべてに乱されている。
こうやって目を閉じても浮かぶのは…──
「セシーリア…勘違いはしてほしくないんだ。僕はほんとは…その、君の全部を受け入れたい…いや、欲しいんだ。あ、今の言い方は少し過激に聞こえてしまうかな?でも、本当にそう思ってる。ただ、君を傷つけたくないから、そういうのは簡単に済ましたくない」
緊張した声に目を開けてトムを見ると、真っ直ぐ前を見ていて表情がよく見えなかったが、その耳は赤く染まっていた。
「……お願い、トム」
私のしていることは、何よりも大切にしてくれている彼を傷つけてしまうだろう。拳をつくり、爪に力を込める。無理だと、断って…私なんてあなたに守られるような人間に値しないの……だから…。
「わかった」
いつもより低いトーンの短い言葉。それきり二人とも、何も喋らなかった。
暖房の風の音、道路を走る音、車がすれ違う音、それらがよく耳に届く。流れる景色の中で、街灯が近づいては遠ざかる光の筋を見送っていく度に、喉の奥がつっかえたように苦しくなる。
私は、何をしているんだろ。
それは堪らなく長い一瞬で、堪えかねた私が言い訳を考え始めたときに信号が青に変わり、彼は車を発進させるため私の手から自分の手を離した。
それがトムの答えなのだろうと、解釈する。
俯いて、目を閉じる。
こんなの、こんなの…私じゃないのに。どうすれば元に戻れる?一度だけだ、あの指もあの唇も目も、たった一度触れ合っただけ。そのすべてに乱されている。
こうやって目を閉じても浮かぶのは…──
「セシーリア…勘違いはしてほしくないんだ。僕はほんとは…その、君の全部を受け入れたい…いや、欲しいんだ。あ、今の言い方は少し過激に聞こえてしまうかな?でも、本当にそう思ってる。ただ、君を傷つけたくないから、そういうのは簡単に済ましたくない」
緊張した声に目を開けてトムを見ると、真っ直ぐ前を見ていて表情がよく見えなかったが、その耳は赤く染まっていた。
「……お願い、トム」
私のしていることは、何よりも大切にしてくれている彼を傷つけてしまうだろう。拳をつくり、爪に力を込める。無理だと、断って…私なんてあなたに守られるような人間に値しないの……だから…。
「わかった」
いつもより低いトーンの短い言葉。それきり二人とも、何も喋らなかった。
暖房の風の音、道路を走る音、車がすれ違う音、それらがよく耳に届く。流れる景色の中で、街灯が近づいては遠ざかる光の筋を見送っていく度に、喉の奥がつっかえたように苦しくなる。
私は、何をしているんだろ。