Caught by …
 彼の視線を追うと、服を捲し上げられた半裸姿の状態に気づく。すぐさま服を下ろし、恥ずかしさを誤魔化すために彼を睨みあげる。

「変態…っ」

「男なんてそんなもんだ」

 やっぱりレイには敵わない。鼻で笑って、私の頬にキスをする。

「それで、さっきは何て言おうとした?」

 まだ覚えてたの?

「わ、忘れたわ」

「嘘だ。ほら、早く」

 彼の上から退こうとした私の太股を掴んで、顔を近づけさせると唇が触れそうな距離から見つめられる。

「…ちょっと、不安になっただけ。あなたの隣に居て良いか」

 不思議だ、こんなに自然と自分の気持ちが伝えられるのは。少し驚いたようなレイは、表情を和らげさせて私の頬を摘まんだ。

「それじゃあ、セシーリアが不安にならないよう、また夜に来ようか」

「ふぇっ!?」

 思わず変な声を出した私に彼が悪巧みを思い付いたような顔をして、私の体を持ち上げ隣に座らせた。そして、ベッドに手をついて耳に顔を寄せる。

「連絡するから、ちゃんと出ろよハニー」

 くすぐったいほど甘い囁きに加え、首筋に吸い付く彼の唇。離れた彼の笑顔が眩しくて、私は惚けたまま彼の後ろ姿を見送った。

 心も、体も、私が思っているより彼に夢中になっているみたい。ベッドに倒れ込んで目を閉じても思い浮かぶ彼の姿に、胸が踊る。


 こんな気持ち…初めて。
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