黄昏に香る音色 2
スタジオは、凄まじい興奮状態になり、

観客は、まるで狂ったかのように、叫びまくる。

そんな様子に微笑むと、

一転して、曲調が変わる。

いつのまにか、持ったギターを弾き始める。

ステージ上で、1人になり、

志乃は、歌い始めた。

声質は変わらないけど…
トーンがちがう。

会場は静まり返り、

今度は、

志乃の歌に、泣きだす。

媚薬の歌姫。

志乃は、そう呼ばれていた。

まるで薬のようだと…。


常用性が、強い麻薬のような…歌手。

それが、志乃という歌手だ。
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