黄昏に香る音色 2
問題点
「これは、大変なことになりましたよ」

学校内、

職員室で、議論が交わされていた。

ディスクの上に、置かれた新聞。

そこに書かれた記事。


「本校の生徒が、このような事件に、かかわっていたとは…」

「信じられませんわ」

「大体…先日、マスコミが押し寄せた時に、きちんと注意していたら…」

「即刻、この生徒を呼び出して…」

「その必要は、ないでしょ!」

色めき立つ先生たちの中…一人、冷静に様子を見ていたゆうが、音を立てて、席を立った。

「この生徒には、何の問題もありません。ただ巻き込まれただけです」

ゆうの強い口調に、他の先生たちは黙る。

みんな、及び腰なのだ。

「牧村先生…。しかしですな…」

議論の中心にした教頭が、口を開いた。

「このような事態に、本校の生徒が、かかわっているということは…」

「巻き込まれただけの生徒に、どんな問題があります」

「しかしですな…学校の評判というものが…」

「この生徒は、牧村先生のクラスでしょ」

ゆうは、他の先生の様子を見て、ため息をついた。

そして、

「何か、学校に迷惑がかかるようでしたら…私が責任を取ります」

と言った。
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