黄昏に香る音色 2
ガラガラ…と建て付けの悪いドアが開くと、岸本恵美と中山祥子が教室に入ってきた。

「おはよう」

「相変わらず、早いな」

恵美と祥子は、鞄を置くと、里緒菜に近づいてきた。

「おはよう」

里緒菜も挨拶した。

「昨日のあれ見た〜!」

祥子がテレビの話題をふってきた。

「最近のお笑い番組はつまらん」

恵美は、里緒菜の隣の机に腰掛けた。

「面白いのもあるわよ〜」

祥子が反論する。

「そりゃあ〜なあ」

「それに、面白くないのだって…いかに、面白くなる可能性があるのか…探すのが通なのよ」

祥子の言葉に、

「それは、おかしいだろ。笑いなんて、単純なものだろ」

「だったら、シュールはどうするのよ!」

熱くなる祥子に、

「つまらん。自己満足だ。あんなもの」

吐き捨てるように言う恵美。

「お笑いを理解してない!」

「理解する必要があるのか?」

「よーく考えたら、面白いの」

「よーく考えなきゃ、面白くない笑いなんて、いるか!」

「メグちゃんの頭でっかち!」

「何だと、このオタクがあ!」

恵美の言葉に、祥子はキレた。

「お、オタクーゥ…筋肉バカに言われたくないわ!」
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