黄昏に香る音色 2
「見られた!見られた!」

淳は教員用トレイに、駆け込むと、個室に入り、

鍵をかけた。

「また…見られた…」

激しく息をしながら、

「あ、あれは…速水だ…」

淳は頭をかきむしり、

「最近、目立って…特に、調子に乗ってるやつだ…」

淳は、ノートパソコンを開いた。

「母親が有名だか…何だか知らないが…」

淳は便器のタンクに、パソコンを置き、キーボードに指を走らせた。

「自分は、選ばれた人みたいな…余裕な態度しやがって」

ディスプレイに、打ち込まれた名前は…、

速水香里奈だった。

その名を送信した瞬間、

すぐに、返信があった。

淳はニンマリと笑い、

「神よ…」

メールを開いた。

輝く画面が、淳の瞳に突き刺さった。




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