黄昏に香る音色 2
煌びやかな光の中、

多くの人々が、作り笑いを浮かべている。

パーティー…。

形だけの社交場。

馬鹿らしいと思いながらも…ティアもまた、人混みの中にいた。

そばに、今回のパーティーの主役がいた。

ジュリア・アートウッド。

パーフェクト・ボイス。


すらっとしたしなやか肢体に、

まっすぐな瞳。

彼女は、ここにいる誰よりも、

輝いていた。


さらに、観客がざわめく。

扉の向こうから、

もう1人のメインの主役が、到着したのだ。

時の…世界の最高…権力者。

エドワード・バッシュ。

まだ若い…指導者は、

音楽が大好きだった。

今日は、バッシュの誕生日だった。

到着とともに、

ステージ上にいる楽団が、

演奏を始めた。

エドワードは、ジュリアに気づき、近づいてきた。

「今日は、わざわざお越し頂いて…心から感謝しています」

エドワードの差し出した手を、

ジュリアは握り返した。

「こちらこそ…お招き頂いて、有り難うございます」

ジュリアは握手しながら、

クスッと笑った。

「何か…私の顔についてるかな…」

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