黄昏に香る音色 2
BAR
「失礼します」

何度、ノックしても反応がない為、躊躇いながらも、和也は会長室に入った。

光太郎は、椅子に座りながら、机の上の写真を見つめていた。

少し間があって、

光太郎は、和也に気づくと、写真を引き出しに戻した。

「先程…廊下で、すれ違った方は…」

光太郎は音をたてて、立ち上がった。

「お前には関係ない!」

あまりの剣幕に、和也は驚いた。

「お前に、新しい指令を命じる」

光太郎は、和也に近づき、

「速水香里奈をものにしろ」

「え!?」

「香里奈を、お前の女にするんだ」

「ど、どうしてです!」

和也は慌てる。

光太郎は、和也を指差し、

「そうすれば、お前の母親が望んだ、この家のすべてが手に入るぞ!手っ取り早くな!」

光太郎は大笑いした。

そして、

すぐにもとに戻ると、

「話はそれだけだ!早く出ていけ!」

光太郎は、和也を怒鳴りつけた。


和也は、静かに頭を下げると、ドアの外に出ていった。





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