天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
光臨
目の前が真っ白になり、僕は意識が、飛ぼうとするのを、必死で踏張った。


(な、舐めるな!)

声はでなかったけど、僕は心の中で、叫んだ。

頭の中で、唇を噛みしめ、力を込めた。

(モード・チェンジ!)

それしか…なかった。



白目を剥いた僕は、バイラ達の攻撃を受けても、倒れることなく、何とか踏張ると、

左手に付けた指輪が、光り…僕の目は赤に変わった。

「赤星…」

アルテミアの声のトーンが低い。 


僕の全身を、指輪から飛び出した白い鎧が包むと……僕の気を感じて、赤く染まる。

アルティメットモード。 


先程までの通常の姿から、戦闘モードに変わった僕は、バスターモードから、ライトニングソードへと武器を変えた。


「貴様ら!」

魔力が溢れる僕の姿を、バイラは冷静に見つめるが…微動だにしない。

ギラもだ。

「お前達の好きには、させん!」

と…ライトニングソードを握りしめた瞬間、



僕は、今までで一番……血を吐き出した。


パワーアップにより、完治していなかった傷口が、開いたのだ。

「え……?」



自分でも理解できないまま…僕は、前のめりに倒れた。


アルティメットモードは、解除された。


「フッ…」

バイラはもう…僕を見ることはなかった。


サラとやり合っている綾子の方に向かって、歩きだした。


「少年。ここで、結末をその目に、焼け付けるが、いい…」

ギラも、倒れた僕にとどめを刺すことなく、そばを通り過ぎていく。


「綾子…」

僕は、あまりのダメージの凄さに、立ち上がることさえできなくなった。 






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