天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「お前達は、死ねぬ!永遠に、鳥かごの中で、彷徨え!」

空牙の叫びとともに、レイ達は光となり…この星の外れの大陸に飛ばされた。

それが、ロストアイランドだ。



空牙はゆっくりと、玉座に向かう。

そして、腰をおろすと、ずっと跪いているカイオウとポセイドンに向かって言った。


「我が名は、ライ。魔王ライ!新たなる…この世界の支配者だ」

じろりと、カイオウとポセイドンを睨み、

「お前達は、どうする?」



ライの問いに、

即座に、ポセイドンは答えた。

「王の力となりまする」

深々と頭を下げた。

「御意に…」

カイオウも頭を下げ、臣下の礼をした。




「有無…」

ライは頷いた。






「……以上が、実世界での報告であります」

玉座の前で、跪き…報告を述べるリンネの話を、ただライはじっと聞いていた。


報告を終え、ライの言葉を待っていたが、ライは何も言わない。

ただじっと、リンネの顔を見ていた。

リンネはしばらく…ライの言葉を待ったが、何も言わない為に、立ち上がり、ライにきいた。

「王よ…。今回、私は勝手に、実世界に行きました。騎士団長としての勤めも果たさずに…」

そして、再び跪くと、

「お叱りならば…何なりと受ける覚悟がございます」

頭を下げるリンネに、ライはやっと口を開いた。


「お前は…いい……。お前は……自由に生きろ」


ライの思いがけない言葉に、リンネは顔を上げた。

「王よ!」


「自由に、生きろ。それが、お前への命令だ」

ライの目に、リンネと輪廻がだぶる。


これは、気休めかもしれないが……ライは、リンネに自由を与えたかった。


はからずも…最後に創った魔神は、輪廻に似ていた。


「お前は…お前の思うままに生きろ…」

似すぎていたから、二人にわけた。

しかし、姉からはその面影は、消えなかった。


リンネは仕方なく…立ち上がり、礼をすると…その場から立ち去った。

リンネは、輪廻のことを知らない。

今、そのことを知ってるのは、カイオウだけだが……

彼が、言うはずもなかった。

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