天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「赤ん坊とは…かくも弱い存在なのか?人はなぜ、このように脆く生まれる。我ら魔族も…あらゆる生き物も、これよりは強い…」

ライは、自ら抱いている存在が、信じられなかった。

ティアナは、すやすや眠る赤ん坊の頭を、やさしく撫でた。

「それは、人が成長する生き物だから…。心も、体も…」

いい夢でも、見ているのか…赤ん坊は、寝返りをうつ。

「1人では、生きれないと知り…周りに感謝して…。大人になって、赤ん坊に触れて、また大切なことを学び、成長する」

「学び…成長する?」

ライの疑問に、ティアナは苦笑する。

「そうよ」

ティアナは、ライの目をじっと見つめる。

「あなたも今…学んで、成長しているわ」

「俺が…?」

ティアナは、ライに口づけようとした。

その時…赤ん坊が起き、泣き出す。

「どうしたの?アルテミア」

ティアナは口づけを止め、

アルテミアを、ライの腕からゆっくりと離すと、抱きしめ…あやしだす。

「アルテミア…」





「アルテミア…」

ライは、目をゆっくり開いた。

今は、ティアナも娘をいない…空間をただ見つめた。
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