天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
秘められた力
アルテミアとの訓練をこえた実戦に近い戦いは、熾烈を極め、

1ヶ月近く続けることになってしまった。



そんな中。

世界には、新たな動きが変化とともに、訪れていた。




「何事だ?」

騒つく魔物達の不安と恐怖を感じ、サラは太平洋にある島に来ていた。

生き残った数匹の魔物を押し退けて、熱帯ジャングルの湿気と暑さの中を、サラは歩いていた。


「うん?」

そこには、数十体の魔物が倒れていた。

息絶えていた魔物達に、これといった外傷はない。

剣や銃、そして魔力でやられたわけではない。


サラは、腰を抜かしている魔物に確認した。

「これをやったのは、人間なんだな?」

「へ、へい!に、人間でした……お、おかしな、ち、ち、力を使う」


サラは、窒息死したのか…自らの体をかきむしった形で絶命している魔物を見、


「人間がやっただと?」

サラには信じられなかったが…しかし、どこか引っ掛かるものを感じていた。


少し考え込んだサラは、あることを思い出した。

「ま、まさか…これは、サイコキネッシス…。だとしたら」


サラは、頭を浮かんだ事実を否定した。

「やつらではあるまい…。どこかの人間は、目覚めただけだろう」

しかし、魔物を殺せるサイキッカーがいることは危険だった。


気を探ったが、近くに人はいない。

「久々の珍種だ。どうしてやろうか?」

サラはほくそ笑んだ。


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