天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「九鬼さま〜あ!」
神妙な面持ちで、廊下を歩く九鬼は、前から走ってる美亜を確認し、足を止めると、表情を和らげた。
昨日、兜が告げた言葉が気になるが…だからと言って、学園の生徒には関係ない。
あくまでも、柔和に対応するように心掛けていた。
「昨日はありが」
言葉の途中で、何もない廊下でつまずいて転んだ美亜は、顔から落ちた。
受け身と言うものを知らないのだろうか。
「いてててて…」
「大丈夫?」
九鬼は慌てて近付くと、手を差し伸べた。
「だ、大丈夫です」
九鬼の腕を掴み、何とか立ち上がった美亜の顔にかかっていた眼鏡が落ちそうになっていた。
片耳と高い鼻で支えられて、何とかついている眼鏡を見て、九鬼は思わず苦笑した。
「あわわっ!」
九鬼に笑われたと思い、急いで身を整えようとするが、気が動転しているからか…肝心の眼鏡に気づかない。
「眼鏡が外れていますわ」
九鬼は優しく、手を伸ばし…眼鏡をなおしてあげようとした。
しかし、突然…九鬼は息を飲んだ。
眼鏡を外したら、美亜が美少女とあることは知っていた。
だけど、美亜と目が合った瞬間、九鬼は背中に悪寒が走るのを感じた。
体が危険と判断している。
だけど、目から見える直接的な情報は…人畜無害の美亜である。
なのに、目から情報を得た…第六の感覚が危険を告げていた。
「あ、ありがとうございます!!」
動けなくなっている九鬼から、後ろに滑るように離れると、美亜は眼鏡の位置をなおした。
「うん?」
美亜の変化に気付いた脳が、眉だけを寄せた。
「阿藤さん…」
「何ですか?」
九鬼の神妙な表情に、美亜は首を傾げた。
「眼鏡…変えた?」
いつもの牛乳瓶の底のような分厚いレンズをつけた眼鏡には変わりはないが、
眼鏡のフレームの色が違った。
緑だったのだ。
「はい!」
美亜は、屈託のない笑顔を見せた。
神妙な面持ちで、廊下を歩く九鬼は、前から走ってる美亜を確認し、足を止めると、表情を和らげた。
昨日、兜が告げた言葉が気になるが…だからと言って、学園の生徒には関係ない。
あくまでも、柔和に対応するように心掛けていた。
「昨日はありが」
言葉の途中で、何もない廊下でつまずいて転んだ美亜は、顔から落ちた。
受け身と言うものを知らないのだろうか。
「いてててて…」
「大丈夫?」
九鬼は慌てて近付くと、手を差し伸べた。
「だ、大丈夫です」
九鬼の腕を掴み、何とか立ち上がった美亜の顔にかかっていた眼鏡が落ちそうになっていた。
片耳と高い鼻で支えられて、何とかついている眼鏡を見て、九鬼は思わず苦笑した。
「あわわっ!」
九鬼に笑われたと思い、急いで身を整えようとするが、気が動転しているからか…肝心の眼鏡に気づかない。
「眼鏡が外れていますわ」
九鬼は優しく、手を伸ばし…眼鏡をなおしてあげようとした。
しかし、突然…九鬼は息を飲んだ。
眼鏡を外したら、美亜が美少女とあることは知っていた。
だけど、美亜と目が合った瞬間、九鬼は背中に悪寒が走るのを感じた。
体が危険と判断している。
だけど、目から見える直接的な情報は…人畜無害の美亜である。
なのに、目から情報を得た…第六の感覚が危険を告げていた。
「あ、ありがとうございます!!」
動けなくなっている九鬼から、後ろに滑るように離れると、美亜は眼鏡の位置をなおした。
「うん?」
美亜の変化に気付いた脳が、眉だけを寄せた。
「阿藤さん…」
「何ですか?」
九鬼の神妙な表情に、美亜は首を傾げた。
「眼鏡…変えた?」
いつもの牛乳瓶の底のような分厚いレンズをつけた眼鏡には変わりはないが、
眼鏡のフレームの色が違った。
緑だったのだ。
「はい!」
美亜は、屈託のない笑顔を見せた。