天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
問いかけのララバイ
僕達を乗せたヘリコプターは、落ちていく。

諦めたように、紅は操縦桿を離すと、

「やっぱり…車とは、違うわね」

軽く肩をすくめ、ロバート達に向かって、言った。

「飛び降りてね」

「な!」

絶句するロバート。

「大丈夫よ」

あっけらかんと、紅は言った。

地面が、段々と迫ってくる。

「無理…」

サーシャは、窓から下を見た。

「心配しなくていいわ」

操縦席から、サーシャを押しのけて、紅はヘリのドアを開けた。

風が、機内を暴れ回る。

「ただし!落ちるとは、思わないで」

髪の毛を風で乱しながら、紅は扉に手をかけ、機内の二人にウィンクした。

「落ちてるじゃない!」

「降りるだけよ」

紅は、ヒョイと二段くらいの階段を飛ぶように、降りた。

「何!」

「ぶつかる!」

地面が、ものすごいスピードで近づいてくる。

仕方がない。迷ってる暇はない。

「…落ちるのではなく…」

「降りる!」

ロバートとサーシャは、僕を背負いながら、墜落するヘリから、飛び降りた。




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