天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「えっ…」

ヘリは、2人が飛び降りるとすぐに、砂に戻った。


飛び降りた2人は、呆気なく、地面に着地した。

「どういうこと…」

さっきまで、急降下で落ちていき、地面まで何百メートルは、まだあったはずなのに…。

階段を、一段ぐらい降りた…感覚しかなかった。

ヘリコプターだった砂が、足下に流れてきた。

「大丈夫だったでしょ」

紅は、ウィンクした。

「どういうことなの!?」

サーシャは、まだ自分に起こったことが、信じられない。

「ちょっと…地面を掘ってみて」

納得できない2人に、紅は下を指差した。

ロバートはしゃがんで、軽く手で砂を掘ってみた。

「えっ!」

地面の下に、

空が広がっていた。

青い惑星に、無数に絡みつく糸。

ロバートは慌てて、空を見上げた。

地球が見える。

「どういうことだ…」

「ここに、下も上もないの…」

紅は、空を見上げた。

「ただ…砂になる前の記憶と、経験で…この世界の、自分のありようが、決定されるの」

「こんな世界…あるはずがない…」

ロバートの戸惑いの言葉に、

紅は、両手を広げ、ロバート達に話しかけた。

「ここは、あるはずのない世界。あっては、いけない世界」

紅の手のなかに、砂が落ちてきた。






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