天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
クラークは、舞子の方に顔を向けた。

「舞子…。魔獣因子とは、力そのものだよ。お前や私の中にある…巨大な力。おぼれると、自分自身さえ、壊す力そのものだ」


クラークは、ブラックカードを取り出した。

「お前たちに、このカードを配ったのは、きっかけに過ぎない。レベルを簡単に上げ、力を使う中で…お前たちの中に眠る魔獣の力を、解き放つ為の!」

クラークの叫びに呼応し、舞子のバスローブがとれ、クラークはゆっくりと舞子に近づいていく。


「魔獣因子を持つ者こそが、人でありながら…神の領域に入れるのだ」


「神…」

クラークに抱かれながら、舞子は呟いた。



「そうだ!人の身では、レベル百をこえることは、できない!しかし、その壁を越えなければ…魔王とは、戦えない」

いつのまにか、ベットの上にテレポートしていた二人のはげしく、絡み合う。

「もし…力を…魔獣因子を持つ者が…力におぼれたら…どうなるのですか…」

意識が飛びそうになりながら、舞子はきいた。


「その者は…人間ではなくなる。ただの…獣だ」

クラークはそれ以上、話すことをやめた。


舞子の唇に吸い付くと、ただ快楽だけを貪ることにした。



自分でもわかっていたのだ。

その言葉は、自分にも当てはまることを…。


快楽に沈む前…。

クラークは言葉に出さなかったが、心の中で呟いた。


(獣にならず…人を率いる者…。それは…赤星浩一か…それとも…)


舞子の腕が、クラークを抱いた時…クラークは思考をやめた。


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