天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「だけど、僕は!」

鮮血を浴びながら、僕は両手から伸びた鉤爪を、残りの二匹に突き刺した。

魔物達は、突き刺された傷口から燃え始める。

「仲間を傷つける者は、許さない!」

僕の目が赤く輝き、牙が唇の端から飛び出した。

なぜか笑みがこぼれた。



食事の時間だ。

焼ける肉の臭いが、堪らなかった。

(仲間を守る為には、体力をつけないと…)

心の中で、そう思いながらも…

僕は初めて、体の奥にある魔獣の意識に従った。

血をすすり、肉を食べる…その姿に、メロメロは戦慄した。


「うおおおおお―っ!」

狼のような咆哮を上げた自分に、僕は心の中で目を逸らした。


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