天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「次は、ないと思え!行くぞ」

轟の号令に、

「は!

みんな頷くと、四方に飛び散った。

「我が姫の技を研究、拝借し…戦う人間達がいると、きいていたが…うぬらか?」

旋回し、轟達が巻き起こす風が、闇を払う。

そして、姿を現したものは…額から、巨大な角を生やし、戦国時代を彷彿させる赤い鎧を纏った

魔神だった。


「無空陣・殺の舞」

上昇気流が、魔神を包む。

「風の魔力など…片腹痛いわ」

魔神は指先を一本、前に出すと、上から下へ手首を動かした。

それだけで、気流の流れが変わる。

相手を切り裂くはずだった…かまいたちが、轟達を切り裂き、

地面に叩きつけられた。

轟も地面に叩きつけられ、さらに風圧で、地面に埋まっていく。

轟はうつ伏せに、押し付けられながらも、目だけを動かし、周りを見た。

落とされた時、打ちどころが悪かったのか…

ほとんどの部下の頭が割れ、死んでいた。

「神の技を、盗んだ罪と知れ!」

魔神は、腰から下げたサーベルを抜き出し、

動けぬ隊員をゆっくりと、いたぶるように刺していった。

「うぬら人間如きに、魔力を使うこともないわ」
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