ノラ猫
頬を伝って流れ落ちた涙は
シーツへ滲んだシミをつくっていく。
ぽたぽたととめどなく溢れ
人形には不釣り合いの感情。
大丈夫なんかじゃない。
平気なわけない。
こんなに男たちにいいようにされて
何も思わないわけないっ……。
「……っく……ひっく……」
誰もいなくなった部屋で
一人静かに涙を流した。
どうしてあたしばかり、こんな目に合わないといけないのだろうか。
あたしがいったい何をしたというんだろうか……。
玩具?
人形?
あたしだって人間だ。
感情だって持ち合わせてるし、感覚だってある。
どんなに心を押し殺そうとしたって
人の優しさを知ってしまったら、もう隠し切れない。
こんな生活、もう嫌だ。
嫌だ。