うそつきは恋のはじまり
「はい、どうぞ」
「ありがとう、いただきます」
彼が運んで来てくれたカップを受け取り、コーヒーを一口飲むと、彼方くんも自分の分のカップを手に私の隣へ腰を下ろした。
「……なんか、不思議」
「そう?」
「うん。いつもの自分の光景に七恵がいるって、なんだか新鮮でうれしい」
それは、先ほどの私の気持ちとよく似ている。同じ気持ちを、抱いている。
「……えへへ」
自然とこぼれた嬉しさに、彼方くんの背中に腕を回してぎゅっとくっつく。そんな私を受け止めるように、彼方くんもぎゅっと抱き締めてくれた。
「ねぇ、七恵。俺たち付き合ってもう三ヶ月経つじゃん?」
「え?うん、経つけど」
「結構健全な付き合いしてると、思うんだよね」
その言葉の意図が掴めず首をかしげると、彼方くんはおもむろにそのまま私を押し倒す。
「か、彼方くん!?」
「最初は七恵が緊張してるかと思って我慢してたけど、最近やたらとくっついてくるんだもん……我慢、出来なくなる」
「でっでもここリビングだし……未成年に手出ししたら私が捕まりかねないよ!」
「俺あと何日かで19だよ」
反論を聞き流しながら彼は私にキスをして、背中へ腕を回す。