うそつきは恋のはじまり
「さっき、親の前でのろけてくれたんだって?」
「へ?え!?なんで知ってるの!?」
「『七恵さんが彼方のこと大好きって言ってたよ』って、母さんが」
そ、そういえばさっき私思い切り『彼方くんのことが大好き』って……!
自分の大胆な発言を思い出し、顔がかーっと赤くなる。
「す、すみません……!」
「あはは、顔真っ赤」
そんな私に、彼は嬉しそうに頬にキスをした。
「ありがとね、七恵」
「え?」
「いくらでも待つって、言ってくれて」
『5年でも10年でも待ちます。彼のためなら、待てます』
その言葉も、ご両親から聞いたのだろう。嘘偽りのない、まっすぐな想い。私の、気持ち。
「だって、大好きだもん。彼方くんのこと」
その丸い瞳をじっと見つめて言い切った私に、彼方くんは体を抱きしめていた手を頬に添えて、愛おしそうに優しく撫でた。
「うん。俺も頑張るよ。七恵のことか、大好きだから」
甘い甘いその言葉とともに、交わすキス。それはとてもあたたかく、より一層彼の存在を私に染み込ませた。
染み込んで、溶けて、彼が私の一部になる。こうやって、長い時間を過ごしていくんだろう。
なんだかそれは、とても幸せなことだと感じられた。
end.


