重なり合う、ふたつの傷
みんな、明日になにを願って眠りにつくの?
闇に不安ばかりが浮いては沈む。
私は電車の中で天野くんと交わした言葉を思い出した。
───……
「昨日、俺の部屋じゃ眠れなかった?」
「ううん、そんな事ない。ちゃんと眠れたよ」
「ならいいけど。なんかあったら夜中でもいいから言えよな」
……───
もうだめだ。壊れちゃいそう。
私はベッドからさなぎのように抜け出すと隣の部屋のドアを開けた。
薄明かりの中、天野くんの顔を見るようにベッドの側に座る。
「蒼太くん……」
天野くんの頬に触れた。
その温もりが指を通して伝わってくる。
人は辛い時、誰かの体温を必要としているのかもしれない。