不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「凛」
「うん?」
2人窓から野球部の練習を見ながら
「凛さぁ、もう踏み出してもいいんじゃない?」
「……」
「それともまだ」
「そんなことはないよ。もう何とも思ってない」
「でも恋をするのを怖がってない?拒否ってない?」
「千恵」
「みんながみんな彼みたいなわけじゃないんだよ」
「……」
「彼は自分勝手で凛のことを」
「そうだね」
「藤倉君は彼じゃないよ。見ただけでも分かるけど悟も褒めてたよ。真面目ないい奴だって」
「フフ どうしても千恵は私と藤倉君とをくっつけたいのね」
「そうよ。だって藤倉君カッコイイし凛とはお似合いだよ」
「年下君だよ」
「そんなの関係ないよ。藤倉君なら凛を大事にしてくれる」
「千恵」
「そりゃ顔を見るのも嫌だとか、どうしても生理的に無理なら仕方ないけど そうじゃないなら」
「千恵」
「ね」
「そうね。いつまでも立ち止まっていちゃいけないよね。藤倉君関係なしに」
「えっ?」
「だから別に藤倉君じゃなくても」
「他に気になる人いるの?」
千恵が目をまん丸にして。
「違うって。恋に臆病になっちゃいけないって話し」
「凛…うん、そうだよ」