不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「お兄ちゃんってば」
「あ、お、お前…母さん達と何処かに行くんじゃ」
日曜日は陽菜は友達と約束がない限り大抵親父とお袋と一緒に出掛けている。
ま、親父はおまけだが。
平日はお袋も仕事が忙しいから休みの日は俺達を優先してくれていた。
「明日ね、パパとママ結婚式に行くんだって」
「……」
結婚式に行くのは知ってたけど明日だったのかよ。
「悪いわね涼」
お袋がアイスティーを持って来て
「貴方が練習ならお祖母ちゃんとこへって思ってたんだけど凛ちゃんに誘われたのって」
「ママ何で『悪いわね』なのよ?私は凛ちゃんと行くんだから」
行く気満々だな。
「9時に駅集合」
「うん、9時ね。じゃあ家を40分くらいに出たらいいわね。早い目に行かなくっちゃ。お兄ちゃん起きてよ。 あ、ママ、明日のお洋服選ぶの付き合って」
「はいはい」
お袋の手を取ってリビングを