不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~


 『フフフ…頼もしいわね』

「だから陽菜のことは」

『…ありがとう。うん、私も強くならなきゃね。陽菜ちゃんに守られるより守る方になれるように』

はぁ?

先輩が陽菜を守るって…

『涼君?』

「俺が守ります」

『えっ?そりゃ涼君は陽菜ちゃんのお兄ちゃんだから陽菜ちゃんを守るのは』

えっ?

「あ、いや、ち、違います」

『えっ?』

「俺が守るのは先輩です」

『……』

「……」

思わず口走り…

自分が今、真っ赤になってるのが分かる。

『涼君』

「迷惑ですか?」

一度口をついて出た思いが言葉になって溢れる。

『…あ、ありがとう』

「せ、い、いや、凛さん」

『涼君の気持ちは本当に嬉しい。ありがたいと思ってる』

「……」

『でも』

「でも?」

『怖い』

「……」

『また陽菜ちゃんが、ううん、陽菜ちゃんだけでなく涼君が』

「もうアイツは俺達に何も出来ないんです。いや、俺達の目の前に現れることもない」

『うん、分かってる。でも』

「……」

トラウマ。

頭では理解していてもアイツのしたことが恐怖となっている。



< 311 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop