不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「フフフ…そうなんだ。だけど何も藤倉君が謝ることはないし。 謝るのは私の方なんだから」
「小さい時からお前はそんなことをしてたのか」
千葉先輩がやれやれと言った風情。
「だって可愛かったんだもん陽菜ちゃん」
「今でも可愛いですよ」
「あら尾崎君も知ってるの?」
「あ、はい。コイツとはそれこそ保育園の頃からの腐れ縁なんで」
「保育園!は、そりゃ長いわ」
ハンバーガーを食いながら
「フフフ…だけど凛の彼氏になる人は大変ね」
「何でよ?」
「陽菜ちゃんって強力なライバルがいるもん」
確かにな。
今の話しを聞いてますます陽菜が俺の最強のライバルだと思えて来た。
「ハハハ…じゃあ私の彼氏になってくれる奇特な人は陽菜ちゃんの審査を通らないといけないんだ」
「ハハハ…そうだね」
陽菜の審査か。
厳しそう。
「藤倉、藤倉…どうした?」
へっ?
「あ、すみません」
それから色んな事を話して…
気づいたのは先輩の違う一面を見ることが出来た。
陽菜達といる時はしっかりしたお姉さんって感じだけど千葉先輩や片桐先輩といると面白く馬鹿話に大笑いしてる。
何だか羨ましい、千葉先輩が。
こんな風に気楽に話せるなんて
俺なんか先輩を前にすっと緊張して何を話してんだか。