永遠の場所
とりあえず電話しようと、携帯を取り出す。
『はいはーい』
相変わらず明るい声で電話に出た。
「ねぇ、由佳理。今、暇かな?」
すぐに出たから大丈夫かなと思いながらも、遠慮がちに聞いた。
『今日は暇だよー。
彼氏は仕事だし、友達ともさっき別れたとこだし』
いつも通り、脱力系で話す。
学生の頃は、この話し方で男に媚び売っているように見えたらしく、ちょっとしたいじめの対象にもなっていた。
もちろん、その中でも私は友達でいたし、媚び売っている訳ではなかったから。
「じゃあ、会おう。ご飯食べよー」
『いいよー。
亜季は今、外にいる?』