俺の魂を狂わす女
暗い部屋にたどり着き

彼が明かりとエアコンをつけた。

「いきなりだな。」

「明日まで待てなかったから。」

「まったくどうかしてるよ。」

彼はティファールのポットにスイッチを入れ

カウンターにマグカップを置いた。

「あとで一緒に入ろう。」

バスタブにもスイッチを入れた。

ハーブの香りが漂ってきた。

「姉貴が送ってくるんだ。」

「お姉さんがいるの?」

「意外だろ?」

私はコートを脱いだ。

ソファにくつろぎ

二人で熱いハーブティーをすすった。

「それで、君らしくない衝動的なコレはいったいどういうことなんだ?」

「ただ無性に会いたくて来てしまったのよ。それ以外に説明のしようがないわ。」

「嬉しいけど、普通メールくらいするだろ?」

「思いつかなかったわ。」

「重症だな、それもかなり。」

寒さで冷えてこわばっていた体が

少しずつ暖まる室内とハーブティーの熱で

じわじわとゆっくりほぐれてきた。

「飯はどうする?」

「胸がいっぱいでいらないわ。」

「アッハッハ。」

彼の軽快な笑い声が部屋に広がった。

「あとで何か作るよ。」

「お手伝いするわ。」

「まずは、どれほど会いたかったかを確認しないと、ん?」

私は彼の腕の中にそっともたれかかり

彼とのキスにうっとり浸った。

< 37 / 43 >

この作品をシェア

pagetop