俺の魂を狂わす女
β.オフィス「ルビ」
俺はプジョーに乗る女がかなり癖のある人種だと残念に思い

ビル内に入った。

「日高、朝イチに悪いが上の床から頼む。」

「了解。」

俺は相棒の沢木と二人でこのビルを借り

セキュリティ専門の『オフィス・ルビ』を立ち上げた。

初めは事務所を持たずにサイト運営だけだったが

思いのほか利益が出て余裕が生まれた。

沢木の発案で駅近でなく静かな場所を最優先にここを選んだ。

電力の補充分を新しい電柱を申請することで確保し

俺はバンから太いケーブルの輪を2束引きずり出し

両肩に担いで運んだ。

2階の床に這いつくばってケーブルを数種類流し

その上にカーペットを敷いた。

パソコンは各自3台持ち

パックアップ用に1台と

常に慎重にも慎重を課す沢木のために

パックアップのバックアップ用にもう1台をセッティングした。

さらにハイビジョンテレビをモニター用に接続した。

2階をメインオフィスにし

階下を応接室に使えるようレイアウトは沢木に任せた。

もちろん来客用のパソコンも完備だ。

あとは備品を運ぶだけだ。

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