あたしのママの恋の話
 この事件を、クラスのみんなは口を揃えてその子の超能力がやったことだと主張したけど、大人たちは誰も信じようとしなかった。
 深刻なイジメがあったということになって、クラスは新学期から解体されて別のクラスに編成されることになった。


 大悟は半身不随になってしまい、大悟のお母さんは怒り狂って、学校の監督責任を求めて教育委員会にまで乗り込んだけれど、満足な結果は得られないままに終わったと噂に聞いた。


 その子は夏休みまでの数週間、クラスのみんなに死ぬほど恐れられながら、教室に居続けた。
 みんな遠巻きで、目を合わせることすら避けた。
 それでもその子は一日も休まず、毎日朝一番にやってきて、放課後は一番最後まで教室にいた。大悟の分まで給食をもりもり食べた。


 一学期の終業式の日、その子がどこかはわからないが遠いところに引っ越すことになったと聞いて、あたしは心の底からほっとしたけれど。それは大悟のお母さんが手を回して、「厄介払い」したんだと、後で近所の噂で知らされた。
 あたしは、大人というものに激しく失望した。



 ――そのせいじゃない。そんなことじゃなかった、あたしにとっては。
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