好きになっちゃダメなのに。
何を怒られるんだろう、と思わず身構えてたずねると、「職員室までこれ運ぶの手伝え」と授業の最後に集めた、全員分のノートを指さして言う。
どうして私なの!?
そう言いかけて、はたと気付いた。
今日の日直、私だった……。
「私、代わろうか?」
私がどれだけ昼休みを待ちわびていたかを知っている羽依ちゃんがそう言ってくれたけど、私は首を横に振った。
「ううん……、ありがとう。でも大丈夫。持って行くだけならすぐだと思うし」
「そっか。じゃあ私、先に掲示板に行ってるね」
羽依ちゃんの言葉に頷くと、私は教卓の上に積まれたノートの山を抱え、高橋先生の後ろについて職員室へと向かったのだった。
「もうすぐ期末だな。勉強してるか?」
「えーっと、一応は……」
職員室へと向かう途中、ふいに高橋先生が話しかけてきて、私は歯切れの悪い返事をする。