Love Game


―――

――



気だるい余韻に浸りながら蓮の胸に頭を預けて

「今、何時頃かしら?」

「ん?…えっと12時15分…えっ? み、瑞希?」

私は慌てて起き上がり

「帰らなきゃ」

ベッドから降りようとしたら腰に手を回され引き寄せられた。

「れ、漣、離して」

「帰らないで。泊まって」

漣の顔を見て

「駄目よ、それは」

「何で?」

「明日も一緒の仕事なんだよ。矢野さんが迎えに来るし…何より明日の用意があるし」

「……」

蓮の顔が怖くなった。

「私だって一緒にいたいよ。だけど…」

「分かった。仕方ないね。その代わり」

「うん?」

「この仕事が終わったら泊まれよ」

「……」

「瑞希」

そんな顔で言われたら嫌と言えないじゃない。

「うん。次の日が早くなかったらね」

「……」

「漣」

「フッ 仕方ない。それで妥協する」

『妥協する』って何かおかしくないですか?

って、今はそんな悠長なことを考えてる場合じゃないわ。

服を着てタクシーを呼んで

「じゃあ漣、明日…てか、もう今日か」

「ん。気をつけて。送れればいいんだけど」

「それは駄目!」

「分かってる」

「うん。漣」

「ん?」

「寝てよ」

「あぁ」

チュッ!

軽くキスをして

「また後で」

「うん、おやすみなさい」



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