Love Game
「大丈夫だよ、話が終わるまでは我慢できる」
もがく私を力一杯抱きしめて
「俺も社長に別れろって言われるもんだとばかり思ってた。ま、言われても別れる気は更々ないし。どんなに時間がかかっても説得するつもりだった」
「……」
「だけどあの時…雑誌に載るって時も社長はなにも言わなかった。ただ暫くマスコミが煩くマンションに張り込むだろうからホテル住まいするようにとだけだ。『別れろ』ともなにも…反対にこっちの方が拍子抜け」
「……」
「瑞希の居場所がやっと分かってパリに迎えに来る前に社長と改めて話した。その時にあの手紙を見せられた」
「……」
社長と話したことを一部始終私に。
私は驚きすぎてなにも言えない。
「俺、これでも社長に認められてるんだと思う。恋人がいるからってポシャりはしないと信じてくれてるし俺もポシャるつもりはない。そりゃ瑞希がどうしようもない女なら別だけど」
「……」
「瑞希は違うだろ?ヘアメイクアーティストとして自立してるし世間にも認められてる。だから俺もそんな瑞希の横にいて恥ずかしくない男になろうと頑張ってる」
「えっ?」
「瑞希は自分を過小評価しすぎなんだよ。由布子先生が言ってたけど『瑞希に』って仕事の依頼がたくさんあるって。瑞希、自分で知らないだけで芸能界では認められてんだよ」
「で、でも」
「まだ文句が」
「私は漣より年が…」
「また5つも上だって気にしてんの?」
「……」
「じゃあ俺も気にしないといけなくなる。俺は瑞希よりも5つも下だって」
「……」
「俺の方が下だから瑞希が頼りなく思ってるんじゃないかとか下だから信用されないんじゃないかとか」
「違う!漣は頼りなくなんかない。信用もしてる」
私に甘えることはあっても決して頼りなくなんかはない。