㈱恋人屋 TWICE！

ここでも、繋がっている人がいる。

繋がるって、いい。

アバウトながらも、私はしっかりと実感できていた。

「そうだ、紗姫ちゃん。」
「何ですか？」
「本店時代の皆で、これから同窓会やらない？　皆で飲みに行った居酒屋あるじゃん、あそこ行こう？」
「い、今からですか？」
「うん。皆喜ぶと思うよ。紗姫ちゃんが向こうに行ってから、皆暇になっちゃったしね。」
「どういうことですか？」
「紗姫ちゃんが、皆の分の仕事まで持ってきてくれてたんだ。モテてたってこと。」

久しぶりに、モテてるという言葉を聞いた気がする。

「じゃあ、菜月くん呼びますね。」

私は電話をかけ、菜月くんに来てもらった。

「あ、久しぶりです、結城先輩。」
「新海君、久しぶり。懐かしいな…。」
「ははっ、そうですね。」

私達が向かった居酒屋は、当然本店時代に行きつけだった居酒屋。お酒に弱いにも関わらずお酒を飲んで、そしてそのたび菜月くんに家に送ってもらった。そんな思い出のある居酒屋だ。

「もうそろそろ来るはずだよ。」

すると、向こうから懐かしいメンバーが来るのが見えた。

頼れるお姉さん的存在の京子先輩、営業成績が断トツの翔太先輩、熱血キャラの龍樹先輩、暗い…いや、クールな来斗先輩。皆、本店時代の私の仲間だ。