㈱恋人屋 TWICE！
「ん…もう無理…。」

案の定と言えばいいのか何なのか、私は酔いつぶれ、壁にもたれかかってうつらうつらとし始めてしまった。

「やれやれだね、全く…。今も一応仕事中なのに…。」
「いいじゃないの、それくらい。…って、あれ？」
「ん？」
「そういえば、今監査の仕事をしてるんだよね？」
「そうだけど？」
「…っていうことは、紗姫ちゃんの支店が何か問…。」
「ちょっ、声が大きいって。紗姫ちゃんに聞こえたらマズいから…。」
「あれ、そうなの？」

これ以降の話は聞けなかったが、それでも私は、何となく分かってしまった。

友也先輩は、私に何かを隠している。それは、私の支店に関すること。

「紗姫ちゃんの支店が何か問…。」

問…何だ？

「問」の字から始まる単語をうつろな頭の中からむりやり引っ張り出してみると、その単語はあっさり見つかった。

問題。

そして、私の思考が少し繋がった。

友也先輩という監査の人が来たということは、私の支店に何か問題があるということを意味している。

私は続いてその問題の内容を考えようとしたが、これが限界だった。

私の意識はどんどん遠ざかり、そして目は閉じた。
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