㈱恋人屋 TWICE!
いつの間にか、私は家に戻っていた。

「あれ…?」

ベッドで寝ていた私は、まだ思うように操れない体で布団を抱いていた。

「そっか、私、また寝てて…あぁっ!」

私は跳ね起き、時計を見た。

「最悪…。」

午前五時。どう考えても、友也先輩は帰っている。

「どうしよ…。」

監査結果を知っていなければマズいことくらい、私だって知っていた。

「何、どうした?」

眠たそうな声で、横になったままの菜月くんが隣から尋ねる。

「か、監査結果って、どうなったか知ってる?」
「あ、それ? 俺、代わりに聞いといたから…。」

横になっている菜月くんが涅槃に見えた…。

「先輩、何て言ってた?」
「明日も来る、って言ってた。それだけ。」
「それだけ?」
「そう。」
「…。」

ひょっとしたら、私は知らないうちにとんでもないことをしていたのかもしれない…。
< 48 / 130 >

この作品をシェア

pagetop