㈱恋人屋 TWICE！
昨日先輩が「明日も来る」と言っていたということは、今日もまた来るということになる。

「はぁ…。」

恐らく、私は何かをやらかしてしまったのだろう。私は足取りも重く、会社に向かった。

会社に着くと、私の部屋の前にはすでに友也先輩が来ていた。

「あ、紗姫ちゃん。」

怒られるかも、と思ったが、先輩は昨日と変わらなかった。

「すみません、遅れちゃって…。」

五時に目が覚めたというのに、私は二度寝してしまい、そして寝坊したのだった。

「いいよ。昨日結構飲んだでしょ？　僕なんかちょっと二日酔い気味でさ…。」
「大丈夫なんですか？」
「平気だって。さ、続きは中で話そう。」

ドアを開け、先輩を招き入れる。

「…さて。」

私達は、机を挟んで向かい合って座った。

「僕…紗姫ちゃんに一つ謝らなきゃいけないことがあるんだ。」
「謝る？」
「僕…嘘ついてた。監査って、本当は問題のあった支店に調査しに行くことなんだ。」
「…それって…。」
「うん。紗姫ちゃんの支店…本店から不正にお金を取ってるみたいなんだ。」
「え…？」
「ほら、これ。」

友也先輩のタブレットには、私の口座に本店からまとまったお金が振り込まれたという本店の手帳が映されていた。
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