エリート同期のプロポーズ!?
『いってらっしゃインド!』


ふざけた返信をして、祈るようにスマホを見つめる。


節電モードで、感傷に浸る間もなく、スッとディスプレイが真っ暗に落ちる。


あたしの顔が、黒い四角の中に映りこむ。



……変な顔。


どうして、こんなあたしの事を絢斗君は好きだって言ってくれるんだろう。



……本気、なのかな。


どっちにしろ、あと1ヶ月、あたしはどうすることも出来ない。


絢斗君の身辺を調べるような真似も出来ない。



何となく持ち歩いているこの指輪。


……高価なんだろうな、っていうことは一目で分かる。


細かくカットの入ったダイヤモンド。


映画やドラマなんかで見たことはあるけれど……


あたしが、こういうものを手にする時は、もっと幸せ一杯なんだと思ってた。


もっともっと、染み渡るように幸せを感じていると思っていた。


あたしは、スマホと指輪のケースをバックに放りこんで、席を立った。
< 152 / 376 >

この作品をシェア

pagetop