エリート同期のプロポーズ!?
ドアが閉まる。


足音が遠ざかっていく。


ドラマのように、その足音がまた戻ってきてドアが開き、抱き合う……的な展開にはなるはずもなくて。


だって央は、大好きな彼女がいるんだから。


あたしには……絢斗君がいるんだから。




完全に音の無くなったドアの外から意識を外し、ふと部屋の中を見渡すと……


スープを吸ってぶよんぶよんになった麺が溢れそうな、トムヤムクン味のカップラーメンが目に入る。


「あーもー、ほらね……」


やっぱりあたしは、冴えない星のもとに生まれてるんだ。


一口、食べてみる。


ぶよんぶよんだけど、食べられないことはない。


涙が出てくる。


それは、カップラーメンの食べ時を逃したからであって。




央の体温が、あたしの頬からすっかりなくなって、冷たくて、それが悲しいからじゃない。


この世で一人ぼっちになったら、きっとこんな気持ち。



あたしは、ぶよぶよのカップラーメンをシンクの隅っこにある三角コーナーに、カップごと捨てた。
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