エリート同期のプロポーズ!?
単純に、ショックだった。


別に、両親に誇りに思われていようとなんだろうと、あたしはあたしで変わらないのだけど。


『自慢の娘』は、いい大学に行き、いい会社に勤め、いい歳になっても結婚もせず、彼氏すらいないあたしではなく。


実家の近くのアパートに住み、工場で主に缶詰めやスプレー缶を作っている旦那と仲良くやって、ポンポンと子どもを産んで育てている菜緒になったのだ。


学生の頃は男の子なんかと遊ばず勉強しろ、しか言わなかったのに、今となっては誰かいい人いないの?って。

勝手だよね、それ……。



あたしは、実家の近くをぐるぐる歩き回りながら、行き場のない怒りをどうにか鎮めてから、母親のもとへ戻った。
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