私の師匠は沖田総司です【上】
『私を兄のように思ってくれている総司なら、私はなお、君に介錯をお願いしたい。

ずっと弟のように思っていた総司の手で、私は人生の幕を降ろしたいです。

兄の最後の頼み、聞いていただけないでしょうか』

『こんな……こんな残酷な最後の頼みはないですよ……』

『ごめんなさい、総司……』

師匠はしばらく何も言わなかった。

でも最後は

『分かりました……』

と、言いました。
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