私の師匠は沖田総司です【上】
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「うっ……」
肩から腕に掛けて疼くような痛みに俺は目を覚ました。
ぼんやりとした意識の中で最初に見えたのは薄暗い天井。
「俺は……」
生きてるのか?
一瞬、その疑問が頭を掠めるが腕の痛みを鮮明に感じる事によって生きてる事が実感できた。
だが、どうして腕に痛みがあるのか思い出せなかった。
「っ……!」
体を起こそうとすると、包帯が巻いてある傷から激痛が走る。
……これはしばらく動けねえな。
それにしても誰が俺を助けてくれたんだ?
「っん……」
小さな呻き声が聞こえて目を向けるとそこには蒼蝶の姿があった。
俺の手にすがる様に握りながら眠りについている。
どうして蒼蝶が、と考えたら記憶の一片が浮かびそこから傷を負った経緯が次々と思い出された。
そうだ長州藩邸が襲われたんだ。
用事があってしばらく京の都を離れ、久しぶりに帰って来たところを何者かに襲われた。
襲って来た人数が多くて俺とヅラ、稔麿、晋作はそれぞれ別れて逃げた。
しばらく逃げ続けた俺だったけど追っ手に追い付かれ戦い、腕の傷はそのとき負ったんだ。
追っ手は全員倒したけど傷が深く、長州藩邸にも戻れない俺は無意識に島原に向かって歩いた。
そして門が見えた瞬間力尽きた。