私の師匠は沖田総司です【上】
「それで斎藤さん、私に渡したい物ってなんですか?」
「鍛冶屋に頼んでいたアンタの刀が昨日屯所に届いたんだ。それを持ってきた」
斎藤が風呂敷に包まれた長い物を蒼蝶に渡す。
風呂敷の中身は小太刀より長いが普通よりも短い一振りの刀と、短刀だった。
どちらも黒い鞘に蝶々の蒔絵が描かれている。
一目見て蒼蝶にぴったりの刀だと思った。
「ありがとうございます!お代の方は今持ち合わせがないので屯所に戻ってからでいいですか?」
「それは気にするな」
「ですが……」
「代金は局長や副長、あと俺や総司たち全員で分けて出したんだ。俺たちからアンタへの今までの礼だ」
「……」
申し訳なさそうな顔で黙り混む蒼蝶に斎藤がポンポンと撫でた。
「本当に気にする必要はないからな」
「……はい、分かりました。大切に使わせて頂きます」
「ああ。では用も済んだことだし帰る」
「門まで送ります」
「いや、いい。外は寒い。風邪をひいたら大変だからな」
「そうですか。では、またいつか」
「ああ」
部屋の戸が閉まる音がすると、押し入れの戸が開かれた。