私の師匠は沖田総司です【上】
「ところで皆さん。そろそろ聞いてもよろしいでしょうか?」

「何を?」

「なぜ皆さん、私の部屋に来たんですか?」

私の言葉に御三方が「ああ~」と言いました。

どうやら忘れてたようですね。

確かに柔軟測定で盛り上がっていましたから、しょうがないです。

「実はさ、近藤さんが天宮の歓迎会をするって言い出したんでィ。それを言いに来たんでさァ」

「その口ぶりだと今からみたいな言い方ですね」

「そうだ。てか、今からって言うか今夜だ」

どうやら新選組は思い立ったらすぐ行動思考の人が多いようですね。

近藤さん然り、組長との試合を用意した土方さん然りです。

「それで、どこへ行くんですか?」

「どこだっけ」

「確か島原って言ってたな」

島原?

島原って確か遊郭ですよね。

私、未成年ですよ。その上、女です。

なぜそこで歓迎会をするのでしょうか。

「天宮ちゃん。顔が険しくなってるぜ」

「だって永倉さん。島原って遊郭ですよ。女の私が行ってもいいんですか?」

「それは大丈夫だ。天宮の今の格好は男装だからな。それに島原は江戸の吉原と違って、遊郭って言うよりも芸妓たちの芸を見る様な場所なんだ。

だから天宮が想像しているような所じゃないぞ。まぁ、とにかく俺達も行くから安心しろ」

原田さんが安心しろと言ってくださいますが、やっぱり胸がモヤモヤします。
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