私の師匠は沖田総司です【上】
夜になりました。

私は暗い夜道を歩いています。ちなみに私の周りには近藤さん、土方さん、斎藤さん、永倉さん、原田さん、藤堂さんがいます。

後、新選組の総長山南敬助さん、6番隊の組長井上源三郎さんがいます。

山南さんは眼鏡を掛けた優しい人です。そして私にこの時代の字の書き方や読み方を教えてくれます。

井上さんは新選組の最年長の組長さん。山南さんに負けず劣らずの優しい人です。屯所で迷子になっている私を何度も助けてくださいました。

師匠から兄の様に慕っていた山南さんと、幼い頃から同じ道場に通っていた井上さんのお話は聞いていましたが、想像以上に良い人で驚きました。

「どうしてコイツもいるの」

もちろん若き頃の生きている師匠、もとい組長もいらっしゃいます。かなり不機嫌ですが……。

「彼女がいるのは当たり前じゃないか。これは彼女の歓迎会なんだからな」

「だったら僕は帰ります」

「ちょっと待ってくれ総司。飲むなら大勢の方が楽しいじゃないか。なっ、山南君もそう思うだろ？」

「そうですよ。せっかくの宴です。楽しまないともったいないですよ」

「……分かりました」

しかし、組長の表情は不機嫌なままです。

息苦しさに体を縮めて歩いていると大きな門に辿りつきました。

そして一歩、その門を潜ると、周りが煌びやかな場所へ変わりました。
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