私の師匠は沖田総司です【上】
「わぁ……」
思わず感嘆の声が漏れます。
綺麗な建物に、道を歩く綺麗な芸妓の姿を見たら、声が漏れない訳がありません。
あちこちから三味線を弾く音が聞こえてきたり、片手に扇を持ち舞を舞う芸子が見えます。
まるでここは夢世界の様で、地面に足が着いていない様な感じさえします。
「天宮」
斎藤さんに名前を呼ばれると腕を引かれました。どうやら酔った人とぶつからないようにしてれたらしいです。
「酔った奴とぶつかると碌なことにならない。気を付けろ」
「はい」
斎藤さんが歩きはじめます。でも、手首を掴まれたままなのです。
「あの、斎藤さん手……」
「今のアンタは危なっかしい。店に着くまでこのままでいろ」
「了解しました」
斎藤さんに手首を掴まれながら、皆さんの一番後ろを着いて行きます。
掴まれた所から斎藤さんの体温が伝わってきて、無意識に鼓動が早くなっていく。
緊張なのか周りの熱気で暑いからか分かりませんが、掌にじんわりと汗を掻いてきました。
握られている場所が掌じゃなくてよかったと、心底思います。
思わず感嘆の声が漏れます。
綺麗な建物に、道を歩く綺麗な芸妓の姿を見たら、声が漏れない訳がありません。
あちこちから三味線を弾く音が聞こえてきたり、片手に扇を持ち舞を舞う芸子が見えます。
まるでここは夢世界の様で、地面に足が着いていない様な感じさえします。
「天宮」
斎藤さんに名前を呼ばれると腕を引かれました。どうやら酔った人とぶつからないようにしてれたらしいです。
「酔った奴とぶつかると碌なことにならない。気を付けろ」
「はい」
斎藤さんが歩きはじめます。でも、手首を掴まれたままなのです。
「あの、斎藤さん手……」
「今のアンタは危なっかしい。店に着くまでこのままでいろ」
「了解しました」
斎藤さんに手首を掴まれながら、皆さんの一番後ろを着いて行きます。
掴まれた所から斎藤さんの体温が伝わってきて、無意識に鼓動が早くなっていく。
緊張なのか周りの熱気で暑いからか分かりませんが、掌にじんわりと汗を掻いてきました。
握られている場所が掌じゃなくてよかったと、心底思います。